第142回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が14日、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、直木賞が佐々木譲さん(59)の「廃墟(はいきょ)に乞(こ)う」(文芸春秋)、白石一文さん(51)の「ほかならぬ人へ」(祥伝社)に決まった。芥川賞は該当作がなかった。
【候補作全リストをみる】芥川賞候補に大森兄弟、共作で初 直木賞は白石さんら6氏 白石作品は、人を愛するとはどういうことか根源的に問う恋愛小説。表題作と「かけがえのない人へ」の中編2本から成る。配偶者や恋人とのズレてしまった関係をくぐりながら、愛すべき本当の相手をみつける姿を真摯(しんし)に描き出す。
芥川賞の該当作品なしは第121回(1999年上半期)以来。
贈呈式は2月19日午後6時、東京・丸の内の東京会館で開かれる。【棚部秀行、内藤麻里子】
■直木賞選評
直木賞選考委員の宮城谷昌光さんは「佐々木作品は習熟度が高く、読んだあと、なんとなしによかったというところに香りがあった。白石作品は文体も構成力も優れている。現代の若い人が望んでいるものに応えた作品だ」と語った。
■芥川賞選評
芥川賞選考委員の池澤夏樹さんは「長期的にみて、日本文学が低調とはいえないが、今回の5作品について、作者が何かを偏愛しているふうには感じられなかった」と話した。
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