夏の参院選に向け、改選数2の宮城、福島両選挙区での民主党の対応が注視されている。小沢一郎幹事長は改選数2以上の選挙区で可能な限り複数の候補者を擁立する強気の戦略を掲げるが、自身の資金管理団体の土地購入をめぐる事件の影響で全国的に擁立作業は遅れている。世論の動向をうかがう両県連に「強気」と「弱気」が交錯している。
<緊張感が必要>
宮城では現職の桜井充氏(53)が3選を目指す。2人目を立てれば、党支持票を奪い合うサバイバル戦になる可能性があるが、県連代表の安住淳衆院議員(宮城5区)は「互いに競り合って勝ち抜く緊張感が必要だ」と話す。
宮城選挙区はこれまで、民主、自民両党の有力候補が1議席ずつを獲得する波乱のない構図が多かった。安住氏は「議席を分け合う形は実質的に選挙がないようなものだった」と言い切る。
小沢氏の事件や鳩山内閣の支持率低下は懸念材料だが、党宮城県連は2人目の候補者を公募で選ぶ攻勢に打って出た。
選考に残った元民主党衆院議員、介護ジャーナリストらが政策などを主張する公開プレゼンテーションを11日に実施。14日に常任幹事会を開いて2人目の候補を絞り込む方針だ。
足場固めを進める現職の桜井氏は「2人目の民主党候補を含め、全員がライバルだ」と気を引き締める。
<比例対応が先>
一方、福島県連では、現職の増子輝彦氏(62)に続く2人目の候補者を立てる動きは鈍い。現時点では作業が進んでおらず、当面は比例代表の候補擁立を先行させるという。
県連代表の玄葉光一郎衆院議員(福島3区)は「2人目を擁立できるか引き続き検討していく」と慎重姿勢だ。
民主党は昨年の衆院選で県内の全5選挙区を制したが、玄葉氏は「参院選では自民党現職が強い。現時点では仮に2人擁立しても2議席独占は困難だろう」とみる。
県連関係者も「県民のバランス感覚から言えば参院は民主1、自民1になる」と分析し、1議席確保を狙う「安全策」を主張する。
小沢氏は改選数2以上の県連が複数候補を選任できない場合、党本部から候補者を送り込む構えを見せる。8日には石井一選対委員長と会談し、原則として2月中に選挙区の公認候補を決める方針で一致した。
玄葉氏は「党本部からさらに(2人目擁立の)強い要請があれば対応を考えなければならない」と今後に含みを持たせる。現職の増子氏はこうした状況に気をもみながら「どんな事態になっても勝ち抜く努力をするだけだ」と話している。
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